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3日目日記 |
ごそごそと書いていたのですが、職場の再編というかな感じで仕事を振り分けられた結果、チキレで敗北でした。 みゅーん。 そんな二日目の日記。
あんまり推敲できてない……
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村はずれ。神社のある山にほど近い自宅までの帰り道は徒歩で大凡30分程かかるが、バスという上等なものはとうの昔に通過してしまったため、ただひたすらにその道を歩く。 歩いてみればかなりの距離があるが、大部分は畑やら田んぼであるため、行き交う人は見知った者ばかり。 天然とはいえはためには金とも茶ともとれる髪や、やや朱く濁った瞳も、今では気にするものは殆どいない。 というよりも、驚く者がいない、というほうが正しいだろう。彼女を一瞥し、蔑みの目を向ける者は、数少ない対抗者の中で大きな割合を占めていたから。 慣れた彼女にしてみれば、その視線もいつものことであり、取り立てて感慨を抱くこともない。 家が近づいたところで、山の向こう側――街からの路線バスが家の前の道を通り過ぎていくのが見え、彼女は一つため息をついた。 しょうがないので、鍵を開けた後、玄関の前で少し待つこととした。 咲夜の想定どおり、街でのパートを終えた母が保育園から妹を迎えて帰ってきたところだった。 疲れたような表情で角を曲がった後もとぼとぼと歩いていた母だったが、じっと己を見つめる娘の視線に気づいたのだろう。はた、と立ち止まると、一瞬だけ見てはいけないものを見たような表情を見せる。 少女にしてみれば、これも既に見慣れたいつもの反応だった。 7年前に村の老人衆から巫女とやらとして扱われるようになり、様々な祭礼に顔を出すことを命じられるようになって以来ずっとだ。 同時にその頃から、母がどこか余所余所しくなっていった事に、彼女は気づいていた。 だから、「おかえりなさい」とだけ言い、室内へと先に身をすべらせる。 まだ保育園に預けられている妹は、帰宅途中に疲れていたのだろう、母の腕の中で眠っていたから、両腕のふさがっている母の為、扉を開け放したままにして迎え入れる。 「ありがとうね、咲夜さん」 そう言って恐縮しきりとばかりに頭をさげながら前を通る母の姿を微笑みで見つめながら、彼女は静かに後ろ手で扉をしめた。 「今夜は祭礼ということですし、今の内に、少し勉強してきます」 やや眠りから覚めそうになっている妹のぐずりをあやしはじめた母の背にそう声をかけ、彼女は家の奥、自室へとさっさと逃げこんでいく。 部屋に入ってふすまを閉めると、ため息を一つ。 「――なんだというのよ」 畳へ乱雑に放り出した指定鞄を足で脇によせ、起床時に三つ折りに畳んだままの布団へと身を投げ出した。 一つ寝返りをうち、仰向けになった視界には、木目の古ぼけた天井がうつる。 いつもの、彼女の世界。 誰にも邪魔されない、唯一息をつぐことのできる四畳半の空間で、彼女は深々とため息をつき、しばしの休息をとることとした。
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「――まぁええやろ、どうせ今日の祭りで全ては仕舞いや。進学先にどこを希望していようが、かまんわ」 村役場の庁舎に程近い土地に、豪勢な屋敷を構えている男――設楽勘一郎が、「ご注進」に伺った校長に対して鷹揚に頷く。 「はぁ、そでっか。よかったですわ。アレの担任が村外から来た何もしらん男でしてね、わしに何も話をせんうちに県外の高校に願書を提出しよりまして。こらあかん、一大事やと思ってお伺いさせてもろたんですけども――そらそうですな、今夜が過ぎれば進学もなんも関係あらしませんな」 手元のハンカチで額の汗をぬぐうと、肥えた身体を揺らして校長は立ち上がった。 「ほな、わしはこれで失礼させていただきます。設楽はん、署長はん、せんせ、皆さん今宵また、神社でお会いいたしましょ」 正面に座る老爺と、右側に座する壮年の男二人に声をかけ、足早に部屋を退出していく。 「さてと――や」 残った三人の中でも最も年かさな老爺が二人に声をかけた。 「手はずは万端やろな?」 「今夜の24時過ぎに、うっとこの診療所に『運び込まれた』ことになりますな。ほんで署長さんに不審死として連絡をいれることになります」 先生、と言われた男が、物騒な事を口にする。 「不審死ですからな、決められたとおりにせなあきません。うちの分署には監察医がおらしまへん。緊急の事態やし、町の担当医者は『連絡がつかんかった』よって、先生に司法解剖を依頼することになるでしょうな」 今一人、警察の制服をきた男が、後をついでさも当然とばかりに言葉を紡ぐ。 「そしたらその結果をわしが署長に報告しますな。まぁ突然死、頓死や、今でいえば心不全ですやろか。それ以外に理由なし。他殺の疑いも自殺の疑いも無し。可愛そうに、若い身空で何の因果やろ、っちゅーことになりますわな」 「そしたら、あとは死亡診断書を持って、両親が村役場に届け出ればそれで済む、というわけやな」 老爺が最後を引き受け、それだけだ、とばかりに腕を組む。 「まぁ村長は宮司やし、助役は設楽はんとこの息子さんや。住民課長は外の人間やが、これは祭礼に参加せんし、何もしらん。親が提出しにくれば正統な書類や、受け取って処理するだけですやろ」 「うまい具合に明日から学校は試験休みに入りますよって、校長が全校集会でお悔やみの一つでも言っておけば、何の事情もしらん子供らの噂もそこまでのものにはならしまへん」 手順と、想定されうる問題を全てクリアにする方策を淡々と語る、警察署長と医師の言葉。 戦後、風習や因習というものの始末が面倒になった時代において、人一人を合法的に消すための相談は、満足そうな長老の笑声とともにお開きとなった。
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